先日、友人Aから「報告」というメールがきていました。
「アルチューデランボー、6月最後の日曜で閉店したよ。」
ほんとうは
「Ⅰさんとこ、閉店したよ」です。
長い店名だから通う人は店主の名前で呼んでいました。
独身の頃何度か足を運んだお店です。
三宮・東門街東入ル、バー。
最後の日、
友人夫婦が花束もって訪れると満席で30分程待ったそうです。
Ⅰさんはいつもと同じようにカウンターの中にいて
2人の訪店をとても喜んでくれたとありました。
それまでと唯一違っていたのは50歳を迎える彼が結婚して
人柄の良さそうな奥さんが隣に立ってらした、ということ。
「アル中で乱暴」と言ってその昔、店主はニヤッとしていました。
でもこの店名が
「アルチュール・ランボー」という詩人に由来しているのは
だれもが知っていたことです。
Ⅰさんは知人の知人でした。
つまり知人?もう何年も会えていないままだけど。
とにかく紹介しっぱなしのいいかげんな私より
友人夫婦の方がずっとこのお店とつながってくれていました。
閉店にあたって残念なことがひとつ。
今更確認したくてしかたない!
このお店のトイレの扉裏、つまり一人になった時読めるひとつの名言がありました。
それを思い出したくて、皆さんにも今回紹介したく
さんざん検索してみたのですがとうとうビンゴに出会えないまま。
酒とは
○○にとって~~
◇◇にとっては~~
☆☆にとっては~~
△△にとっては~~
という形式だったのは覚えているのですが
そこに何があてはまるのか皆目忘れています。
私がこのお店の中で一番好きだった一点。
それは店主こだわりの一枚板のカウンターより。
もしこの名言に心あたりある人は教えてください。
Ⅰさんは、無頼派というのかしら、
強烈な個性の人だったけど
それだけでない部分がちゃんと見える人でした。
その辺が少なからぬ人を引付けた理由のような気がします。
体調を崩してからの営業が久しくつづいていました。
お店と心中するのつもりなのかなぁ
勝手ながらそんな風に見えたこともありました。
今回辞める気持ちになったのは
この奥さんとの出会いあってのことかもしれません。
本当の理由はともかく、いつかもう一度、と思っていた
神戸の懐かしい場所がまたひとつ消え、
わたくし的名店追悼でした。