2010年8月22日日曜日

夜な夜な話 #4 三つの願い事

昔昔あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは木こりでいつものように山に木を切りに行きました。いつものように一本の木を切ろうとしたとき、妖精がその木の中からでてきて
「この木だけは切らないで下さい、私の大切な木なのです」
とたのみました。おじいさんは
「わかったよ」
とその木を切りませんでした。すると妖精は喜んで
「お礼に3つのおねがいが叶うようにしました」
といいました。おじいさんは本当にそうなのかどうかわからないまま家に帰りました。その日の晩御飯はいつものように野菜スープとパンでした。
「あ~あ、たまには大きなソーセージが食べたいな」
と言いました。するとどうでしょう。テーブルより大きなソーセージがパッと現れ、ドスンとテーブルの上に落ちました。
「ひゃ~っ、妖精が言っていたことはほんとうだったのか!」
そういっておじいさんは今日あったことをおばあさんに話しました。するとおばあさんは怒り始めました。「大切な3つのねがい事のうち1つをソーセージに使ってしまうなんてなんてバカなじいさんだい!」
「でもわしはそんなに大きな願い事よりこのソーセージを食べられるほうが嬉しいけどねぇ」
と言うと
「ふん、そんなにソーセージが好きなら鼻の先にくっつけておけばいいのさ」
おばあさんはそう言いました。するとどうでしょうソーセージが急にフワリと浮かびおじいさんの鼻にピタッとくっつきました。
「しまった!」
おばあさんはびっくり。あわてて力の限りに必死で引っ張りましたがソーセージはびくともせずおじいさんの鼻にくっついたままです。
「私がばかだったよ。欲をだしたばっかりにこんなことになってしまって。」
おばあさんは心から反省しました。そして
「おじいさんの鼻からこのソーセージを取って下さい」
と最後のお願いをしました。するとソーセージはまたテーブルに戻りました。そしておじいさんとおばあさんは仲良くソーセージをいただいたとさ。

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