2010年5月31日月曜日

夜な夜な話~水女~

夜寝る前に親が子供に本を読んで聞かせてあげるご家庭は多いと思うのですが、本を読んで聞かせるとなると灯りが必要ですよね、うちはその灯りに戯れて子供が寝ないのです。ですからまっ暗にした部屋でいろんな話を私が適当に語りきかせるという方法をとっています。
今日はそんな中から最近娘が気に入っている「水女」の話をいたしましょう。記憶が怪しいところは適当に作っているので原作とはややはなれているのかもしれません。確認したくてももうその本はないのです。ちなみに「世界の怖い話」とかいうまじめな児童書だったと思います。

 昔昔あるところにハンスという男の子とお母さんが二人で住んでいました。ある日ハンスが散歩中に川原へ行くとおそろしい形相の水女の姿が見えました。ハンスはあわてて岩陰に隠れ様子を伺っていました。川からあがった水女は石の上に座って長い髪を櫛でとかしはじめました。その櫛は宝石がちりばめてあってとても美しいものでした。水女はしばらくしてまたザブンと水の中に入っていきました。
「ああよかった」とハンスは隠れるのをやめふとさっき水女がいた石の上を見ました。するとその美しい櫛がおいたままになっていました。

 ハンスはどうしてもその櫛がほしくなりました。「あの櫛をお母さんにあげたら喜ぶだろうなぁ」ハンスは思い切って櫛を手に取ると一目散に駆け、家に帰りました。
「はいお母さん、」「こんなきれいな櫛をどうしたんだい?」「川に落ちていたんだ」「そう、ありがとう」
お母さんは喜びました。
 夜になりそろそろ二人が寝ようと思った時です。トントントン・・・ドアをたたく音がします。「あれ?こんな夜更けにだれかしら」トントントン・・・「どなた?」聞いても答えません。でも何度も何度もドアを誰かが叩いています。お母さんはそっと扉をあけました。
 す・る・と・・・(ここでいつも娘は私にしがみつきます。)「か~え~せ~私の櫛をかえせ~っ」(私は容赦なくかなり恐ろしい雰囲気をだして語ります)水女が恐ろしい顔で立っていました。震えて動けないハンス。お母さんはあわてて机の上においていた櫛を水女に渡しました。水女はすると黙って帰って行きました。
 泣いているハンスにお母さんはいいました。「人のものをとってはいけないよハンス。母さんはおまえが元気でいてくれたらそれだけでいいんだから」チャ~チャ~チャ~~ン。(このチャ~チャ~チャ~~ン)というのはアンパンマンの話が終わるとき必ず鳴るメロディーと同じにしていて「お話はこれでおしまい」という合図なのです。
 
 余談ですがこの本は巻頭カラーでめちゃめちゃ怖い水女の顔が描かれています。もういちど見てみたいな。

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