2009年8月22日土曜日

歩き遍路

四国八十八ヵ所を歩き遍路している知人から
「今日は8km歩いて薬王寺をめざします」とそれだけの携帯メールがありました。
「歩き遍路」とは変わった表現だと感じられる方もいらっしゃるかも
しれませんね。遍路とはもともと歩いてするものなのでは?

さて、私がこのお参りツアーの添乗員をすることになった初回は
「えええええ~っ?」とびっくりすることばかりでした。実務もさることながら
大型観光バスをお寺に横付けしてのお参り。納経も添乗員が代行。
お客さん全員に大願があるようにはどうしたってみえません。
車内から急に外に出てめんどくさそうな人もちらほら。

「今後この仕事は断わりたいわ、遊び半分のお参りの片棒担ぐようで嫌やし」
経験を積んだ同行の添乗員にそうこぼすと「体の不自由な人も経済的にも難しかった人もお参りできる時代になったと思えばいい。それに遊び半分に見えてるだけでそれなりに悩みがあって参加してる人もいる・・・」みたいな熱弁がしばらく続きました。
この添乗員は同僚なのになんでか八十八ヶ所ツアーばかり担当していて四国に関しては先輩風ふかせたい気満々。内心「わあ、また始まった熱弁」と思ったのですが「へ理屈つけて早々に根をあげた」と思われるのもまた不本意。お寺見るの嫌いじゃないしまあいいか、どうしても嫌と思うまでは続けてみよう程度の気持ちで以後の同仕事を入るままに続けていました。
「なんでもできる添乗員」の方が結果いい仕事もらったりしますからその辺の打算もありました。(あ、誰より私が罰当たりか?)

こうして私は何度も八十八ヵ所の添乗をすることになります。
そのうちミイラ取りがミイラ、というのもダメだな、好き好んで「四国通い」をしている自分がおりました。それは四国、あの島の不思議な魅力、また様々な人達との出会い。これに尽きるでしょう。

さて、バス遍路を経験した人が「今度はあるいてお参りしたい」と思うのも自然な流れで、
本来の姿に沿った「歩き遍路」ツアーは静かな広がりを見せています。私の知る限り1社だけだったのに現在複数の会社が企画しているようです。

知人は・・・仮にオウさん&コウさんとしておきましょう。
私がたまたま添乗する北海道ツアーに参加されていた元お客さんなのですが今日はプライベートで大変助けられています。コウさんは大阪在住でなかなか会えなくなりましたが、オウさんは偶然にも平塚からほどない秦野に住んでいて育児でヘトヘトの私を時折訪れて励ましてくださいます。

コウさんが「お参りツアーに参加しようと思うけどもし合わなければすぐやめるつもり」と手紙をくれた時、たまたま持っていた「絵文字般若心経てぬぐい」を同封して素直に激励することができました。3年前の話です。

やがてコウさんは四国の魅力に取り付かれたようで初回あっさり満願(88ヶ所全部お参り)し2周目にオウさん誘い2人して満願、3周目の現在ひきつづき2人「歩き遍路」に挑んでいるのです。2人はそろって看護師を全うされた人達、辛抱強いし絆も固いのでしょう。

日ごろからの体力づくりと自己管理は完璧な2人、それでも「夏遍路」はきついようです。
今回の8キロはまずまずだと思うのですが
前回(ひと月前)は厳しい暑さの上に「遍路ころがし」もあり、珍しく「きつかった」というメールでした。それも帰宅後数日たってからの報告で。(遍路ころがし:遍路もころがるほど険しい:難所の意)

次回(来月)からは秋、2人がすこし涼しくのどかにお参りできたらいいなあと
陰ながら思っています。

☆豆知識・・薬王寺は23番目の札所。今回でてきた「遍路ころがし」は20番:鶴林寺。いずれも徳島県のお寺。八十八番目のお寺まではまだまだ長い道のりです。

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