2011年2月16日水曜日

いまわしい記憶

自分が年をとったな~と思うとき。最近薄い紙が重なったのをめくる時に指先をちょっとツバでしとらせた・・・半分無意識だったけど半分はじれったくて。季節柄指先がカサカサしていたのです。
まだウラ若かった頃世界中の人がそうしても自分だけはしないと決めたことのひとつがまさにこの「指先を舐めずにページや紙を繰ること」でした。
もうしないわ、ああ。けど少なくともそうする人達の気持ちがわかるようになったなんて。あのトラウマの渦に自ら身を投じてしまうなんて。
高校の時私は定年退職直前のじいさんに英語の授業を受け持たれてしまいました。「エックス」を「エッキス」とか今にも言いそうな英語の授業を2年も受けるハメになった、それだけでも 忘れたい記憶。
このじいさんがプリントを配る時にきっちり人数分を各列数えなくては気がすまない人でした。やぼったい整髪油の匂いをぷんぷんさせながらえらそうに配る。適当に配って最後列で調整したらいいやんか。もうおわかりかと思いますがその際にたっぷりと自分のツバで指先を湿らせて各列くばるのです。当時再生紙を利用したプリントがほとんどで指先の形がハッキリ薄茶色の紙にうかんでいました。列の数分しっかりと。
最後列以外の生徒はいいのです。そのプリントを避け、後へまわせます。最後列の生徒は最悪です、毎回英語の授業でプリントが登場する度、背中がゾクゾクするのを感じます。ツバ付のプリントを目の前に最後生徒同志、ため息と共に同じ空気を味わうのです。
そういうわけで前述の誓いを立てるのですが、あの時のじいさんの気持ちがちょっとわかる25年後の私が今いるわけです。
この一例からも学べるように世代ギャップのために若い人にげっそりされることがないように気をつけなくてはとおもいます、すくなくとも25年はわかってもらえないわけですから。

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